おたまの角度は難しい

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全盲の私は
最近、おたまの正しい角度について少しわかりました。

お味噌汁など注ぐ時、
なぜそう思っていたかわかりませんが、

柄を、おたまの、ほぼ真上に向けて持っていた気がします。

ということは、
液体が入ったおたま部分はかなり斜めになっていて、
置いている、または左手に持っている丼やお椀に注ぐまでに
液体はずっとこぼれ出ていることになります…。

目が見えないことで、なんでも平行に持つのが難しい私には、
液体をお椀に注ぐのがうまくできないのは仕方のないことと思ってきました。

年末、
出来上がったおいしいおいしい豚汁を、家族分の丼に注ぐ際、
私の隣に立って見ていた長女が

「おたまの角度は、こう、だよ」
と私の右手の角度を動かしました。

それは、これまでより相当倒した斜めで、
え~こんなに??と思う程でした。

「さっきの角度で注いでるから、いつも器のふちにねぎやわかめが引っかかっていたり、器の外側が汚れていたりするんだよ~」
と、長女もこれまでの謎が解けた感じで。

そっかぁ!!

視覚障害者の私はこの度、
主婦歴21年にして、
やっと、おたまの正しい角度を知りました。

これからは、器を汚さずに汁物を配膳できそうです♪

中途で視覚障害になると、
東京や大阪や福岡などへ生活訓練に行く人がいると聞いたことがあります。

そこでは料理なども教えていただくのだと思います。

中高生の頃に視覚障害者になった私は、そのような訓練は受けたことがありません。
おたまの角度について、これまで深く考えたことはありませんでした。

盲学校の高校時代、家庭科の授業で調理もあったなぁとは思います。

しかしその頃の私は
調理になんて興味はなく、
家庭科室の暖房に座り、
「やりたい人がやればいいさ」と、
クラスメイトの男子三人がやっているのをほほえましく眺めていました。

そんな私も主婦になり、母になり、毎日家事をしています。
今の私の姿を、あの頃のクラスメイトに見せてあげたい。

私のことを観察して、
ストレートに感想を言ってくれたり
助けてくれたり解決策を教えてくれたりする長女。

私にとって、成長した長女の存在は大きいです。
いつもありがとう。

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