しっぽ使いのたきくん

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小学3年生の次女は、
国語で「絵を見てお話を考えましょう」のような授業があったようです。

川の上で木にぶら下がって泣きそうなねずみと
それを見つけたたぬきの絵。

全盲母は次女が鉛筆で書いた文章を読むことができません。

原稿用紙を次女がスマホで撮影しておいてくれたので、
その画像を見てもらい、ホームヘルパーさんに読んでもらいました。

録音を聴きながら、次女が作ったお話を書き起こします。

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しっぽ使いのたきくん
          W作

ある秋の山の中、たぬきのたきくんがごはんの具になるどんぐりを、お気に入りの川の近くに拾いに行こうと考えました。
そして、おいしいどんぐりを入れる袋も、準備して出かけました。

たきくんが、どんぐり拾いを始めると、川の上の方から、大きな声で
「たすけて~~。」
と、聞き覚えのある声がしました。

声がした方を見てみると、川の上にある枝に、たきくんの友達のねずみのねみくんがぶら下がって震えていました。
たきくんはびっくりして頭が混乱しました。

たきくんは、どうやってねみくんを助けたらいいか、悩みました。
「考えるのに時間を使うと、その間に、ねみくんの腕が痛くなって、ねみくんは川に落ちちゃうから、早く考えなきゃ。」
と熱心に考えました。

そして、思いついたのは、しっぽで助けるということです。
たきくんは、しっぽを使うのが得意だったので、それを思いつきました。

そして、しっぽをねみくんの真下にやり、
「手を放して、僕のしっぽにつかまれ。」
と言いました。

それを聞いたねみくんが、たきくんに言われた通りしてみると、本当にしっぽをつかめて地上に下りることができました。

無事に助かったねみくんは、たきくんと手を取り合って喜びました。
ねみくんは感謝の気持ちを込めて
「ありがとう。」
と言いました。

その日から、二人はもっと仲が深くなり、遊ぶことも前より多くなったそうです。

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次女は挿絵も描いたそうです。

たきくんがしっぽをビューンと思い切り振って
ねみくんの真下にしっぽが届き、
それを見たねみくんが驚いている場面と、

ねみくんがしっぽの上にポヨンと跳ねている場面だそうです。

聞き覚えのあるとか、手を取り合ってとか、もっと仲が深くなりとか。
こんな言葉も知っていて、使えるんだなぁと感心しました。

私はすてきなお話だと思いました。

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