約20年前の話になりますが、
結婚する頃の私はあまり目を開けていられず、瞬きばかりしていました。
結婚披露宴の映像に
「えらく瞬きばっかりして、目がどうかあるんだろう」
と大きな声で心配する祖母の声が入っています。
とにかく、目を開けた状態で静止していられないため、
あの頃の私は写真を撮られるのがすごく苦手でした。
目が見えないと、写真はどこを見たらいいかわからないためずっと苦手ではありますが。
定期的に眼科には通っていましたが
何か言われることもなく、こちらから聞いてみることもなく、
手術を繰り返した私の目はそんなもので、仕方のないことと思っていました。
そのような状態で数年暮らしていたある時の診察で
担当の若い先生が困ったように上の先生を呼びに行かれ
二人で交互に深刻そうに私の目の中を診られ
小声で「う~ん、こうなるとオペしかないかな」とか話しています。
14歳の終わりから3度網膜剥離の手術を受け、
一年後には全盲になり、
それから白内障の手術や眼圧を下げる手術は受けたものの
特にトラブルなく症状もなく過ごしていた頃でしたので、
え?全盲になってもまだ手術?
私、どうもありませんけど?どういうこと?イヤだよぉ!と思っていると
「院長先生に診ていただき判断してもらいましょう」と。
全盲になってから院長先生の診察はほとんどなかったので久しぶりでした。
手術をしていただいていた頃より少しおじいちゃんぽい声になっておられました。
先ほどの若い先生と少し偉い先生がまだ来られず、
院長先生と二人だけで診察になりました。
カルテを見ていた院長先生が
「今、一番お困りのことは何ですか」と言われました。
手術になるのだろうかと思っていた中、突然そのような質問をされ
何か答えなければ…と私が思いついたのは
「目を開けていられず、常にパチパチ瞬きをしている」
ということでした。
診察されて
『マイボーム腺炎』と診断されました。
メイクなどの汚れがきれいに落ちていなくて
目が不潔な状態になっていると。
二十歳頃からアイメイクもするようになり
おそらく顔を洗う時に目をギュッと瞑っていて
汚れが残った状態が続いているのだろうとのことでした。
思い当たり、なるほどぉと
治るかもしれないとうれしく思っていました。
そんなところに、先ほどの少し偉い先生登場。
「院長、いかがだったでしょうか」
「うん、マイボーム腺炎だね」
「は?」と困った感じの先生。
「あの、○○で、オペが必要かと思うのですが…」
「いや、ご本人、症状もなく何もお困りじゃないからそのままでいいんじゃないかな」
その日言われた病名が何だったか覚えてもいませんが、
それ以来20年、何人もの先生に診ていただいていますが
その病気の心配をされたのはこの時一度だけでした。
あの時のあれは何だったのだろうか…。
私は
院長先生がマイボーム腺炎に気づいてくださり、
「濡らした綿棒で睫毛の根元を拭いて目を清潔に保つといいよ」
と教えてくれるためだったと思っています。
言われた通り、濡らした綿棒でふきふきして以来、
目の違和感はすっかりなくなり、私のひっきりなしの瞬きは止みました。
院長先生、最高です。
それから、クレンジングをする時は目に力を入れないように意識して
おそらく汚れは残らないように洗えているのだと思います。
でも、
ドライヤーで髪を乾かす時やワックスで髪をセットする時、シャンプーしている時など、
髪の毛のことに集中している時間私は目をギュッと瞑っていることに最近気づきました。
気づいたので、意識して止めました。
みなさんは何かする時、
無意識にギュッと目を瞑ってしまってはいないですか?
クレンジングや洗顔の時は、汚れが残ってしまうので気をつけてくださいね。
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