昨年末、70代の全盲の女性にiPhoneの操作を何度かお教えしていました。
iPhoneにはボイスオーバーという音声読み上げ機能があり、それにより視覚障害者も使用できます。
私と夫がガラケイのらくらくホンからiPhoneに変えたのは2013年12月なので、iPhoneになって7年半が経ちました。
視覚障害者のiPhone使用率も増えていますが、どれぐらい使いこなせているかは個人差が大きいと思います。
私よりもっと高いレベルで使っている日とも多いですし、
ほとんど使えず、電話をかけたり受けたりも思うようにできないという人も多いです。
私としては、文字入力ができるかできないかが一つの大きな壁のように感じます。
文字入力をクリアできれば、視覚障害者はiPhoneを使ってすごーく便利になると思います。
文字入力が割と自由にできる私は、日常生活でパソコンが不要になりました。
iPhoneをどのように握って、
どの指で、
どのように画面をタッチしているか、
お教えするにも、お互いに見えないと、相手の状況がわかりません。
また、
文字入力のキーボードは英字入力かかな入力かなど、見えている人でも設定はそれぞれですよね。
ちなみに私と夫も文字入力の方法は違います。
ガラケイでメール文章を打ち慣れていた私はあかさたなのテンキー配列の画面、
パソコンで文章を書くことが多い夫はアルファベットフルキー配列の画面です。
私が教える機会があった方には、特殊化もしれませんがまずは私のやり方をおすすめしてみます。
みなさんがどのようにスマホを握っているかがわかりませんが・・・
私は両手のひらでiPhoneを持って、両方の親指だけを使って文字入力します。
昔の、ゲームウォッチやゲームボーイを握って操作する感じかなと思うのですが、伝わるでしょうか・・・?
この持ち方だとiPhoneは常に自分の正面にあり、
画面の両脇からのび太親指と画面までの距離もいつも一定で、
安定すると感じます。
これまでお教えしたことがある年上の方々は、結構な確率でiPhoneをテーブルに置き、右手の人差し指で操作していることが多く、
それだと、視覚障害者は画面と指の位置が定まらないため、触っていないつもりで指や使っていない手のどこかが当たっていて、タップしたことになるので画面がどんどん変わることになります。
目が見えなくて、しかも年配の方だと、
まず、すばやくダブルタップするのがなかなかうまくいきません。
そうこうしている内に入れるつもりのない文字が入力されていたりして、
その余計に入ってしまった文字だけを削除するなどの作業が更に難しいのです。
お教えした70代の女性は、ある方から私が両手を使って操作しているらしいと噂?を聞いていたそうです。
両手を使うという意味がわからないまま、
テーブルにiPhoneを置き、
両手の人差し指でやってみて、
ますます難しいと感じられていたとのこと。
私の持ち方と左右の親指を役割分担させて操作する方法を触ってもらうと、
「『両手を使う』という意味が今やっとわかりました」と驚いてらっしゃいました。
帰られた後、夫に、
「かなり難しそうだったけど大丈夫かなぁ」と話すと、
この方は、夫が音声図書の機械や点字ディスプレイの機械の操作を教えた時、
録音をされ、翌日にはご自分で点字でノートを作って、
次回来られるまでには操作できるようになっておられるのだそうです。
だからiPhoneに変えて文字入力ができず困っていると聞いて、私に教えてあげてほしかったとのことでした。
2週間後、Amazonでのお買い物の方法を習いに来られた時には、本当に文字入力はある程度できるようになっておられました。
すごく努力されているのだと思います。
今ではAmazonでお買い物もできるようになられました。
こんな風にお教えしたことを受け取ってくださって、できることが増えていかれるのを知ると、またいつでもどうぞ♪ という気持ちになります。
朗らかで謙虚で上品で、かわいらしい女性でした☆
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