生きていく力

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年末に夫とドコモショップに行った日、

勇気を出して格安スマホに

10時開店の10時予約で、

5分程早く到着して外で待っていました。

これまでの経験上、

ドコモショップでの契約などの手続きはすごーく時間がかかります。

ペットボトルのお茶を持っておきたいなと思いつき、

「ここ、自販とかあったりするかな?」と夫に言いました。

同じく全盲の夫。

「探してみよう」

と建物に沿って端の方に白杖で探りながら移動すると

夫の杖がガコンと何かにぶつかり

「あったよ」と。

自動販売機は

飲みたい缶やペットボトルの場所のボタンを押しますよね。

視覚障害者、全盲の私たちには

そのラインナップを見ることができません。

どうしても自動販売機で飲み物を買う時は

夫は近くにいる人にちょっとお願いしたりもあったようですが、

昔からおみくじのような、ルーレットのような感じです。

ジュースを飲みたいのに水だったとかはいい方で、

冷た~いとあったか~いすら希望と逆が出たり、

蓋ができるペットボトルがいいのに缶コーヒーだったり。

福祉施設などに設置された自販機には

まれにボタンに商品名と金額の点字シールが張ってあることもありますが、

品物が変わっても点字シールは張り替えてなかったりなどあり

違うのが出てきたことがあります。

さて、ドコモショップで、

ガコンとぶつかり巡り合えた自販機前でスマホを取り出した夫。

任せとけ風にアプリを立ち上げて

自販機のボタンの近くにスマホをかざすと

完璧にきれいにではありませんが

コーヒー微糖

とか

なんとかの水

とか

読み上げました。

おー、すごい!

いくつも読み上げさせて

緑茶とカフェラテを選んで一本ずつ購入。

全盲二人で自販機で飲みたい商品を選べるなんて、感動です。

そして

出かけた先では

どうしてもトイレは我慢することが多い全盲の私。

行くなら誰かにたのまないといけませんし、

トイレを済ませるまで待っていただかなければ元の場所に戻れませんし

できるなら頼まずに

家に帰ってからと思いがちです。

ガイドヘルパーさんと一緒ならそのような心配はせずお願いするのですが、

そうじゃなければ

相手に悪いなぁとか

お願いする勇気が出ないとか

迷惑がられたらちょっと悲しい気持ちになるとか

つい、いろいろ考えてしまいます…。

そこでも夫は

「長くなるだろうからトイレの場所、聞いておこうか」

お店の人にさっさとトイレの場所を聞いて、案内してもらっていました。

トイレは、座っていた場所から10歩程の距離でした。

トイレから出ると私の名前を呼んで、

返事をした私の声に向かって一人で戻ってきました。

そして、

「もう場所覚えたから連れて行けるよ」と。

4時間半の手続きの合間、

私は2回、トイレに行きました。

全盲の私は

誰の手も借りずに行きたい時にトイレに行ける場所は

自宅や実家などのほかにはほとんどありません。

夫のおかげで

自由にお茶を飲み、

自由にトイレに行ける安心した時間を

ドコモショップで獲ました。

夫と一緒だと

私はどこでも生きていけるかもしれないなぁと思った一日でした。

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