白杖を持って生きる

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先日、

白杖についてと、私と夫の一人歩行について書きました。

視覚障害者の一人歩き ~私と夫の場合~

ふと、今使っている私の白杖って一体何本目なのだろう…と。

視覚障害者として生きる

思い出深い一本目は

中学の終わりに買ってもらった折りたためない直杖(ちょくじょう)でした。

木製の杖で、私の身長に合わせて祖父がのこぎりで切ってグリップをはめてくれました。

白い杖に黒いグリップ。

当たり前の、シンプルなデザイン。

なーんかつまらない…ということで、

グリップの一番下に

キティちゃんの顔のマスコットをがっちり着けてもらいました♪

当時高校生の私、

一気にかわいくなり大変気に入っていましたが、

周囲からは不思議ちゃんと思われていたかもしれませんね…えへっ。

その直杖(キティちゃんはもう外していました)は

実は数年前まで持っていました。

さすが直杖で、丈夫だったため、予備の白杖として常に傘立てにありました。

その初代の白杖のほかは

全て折りたたみタイプを購入しています。

現在、8本目くらいかなぁと思います。

私は、使わずにバッグに入れることも多いので、より短くたためてなるべく軽いタイプが好きです。

4段に折りたためるより5段に折りたためる方が短くコンパクトになります。

使っているうちに

傷がついたり曲がってしまったり、

グリップが劣化してきたり、

先端の石突(いしづき)が削れてきたりします。

私は一人で外出することはほぼありませんが、

誰かと出かける時でもなるべく必ず白杖を持っています。

左手で手引きしてくれる方の右腕(肘の上付近)を握らせてもらって、

右手で白杖を握っています。

使わずに真っすぐ地面につけて持っているだけです。

でも、買い物をした帰りは白杖はたたんでバッグに入れ、右手に荷物を提げて帰ることが多いので杖を持たずに歩く時間もあります。

ガイドヘルパーさんと歩く時にも、使わないのに白杖を持つ理由は

「私は視覚障害者です」

ということを周囲にご理解いただくためです。

白杖を持つことに抵抗がある視覚障害者の方もいらっしゃると思います。

私も、視力が落ちてきた頃

まだ少し見えるのに白杖を持つのはイヤだった気もします。中学3年の頃ですね。

すっかり全盲の今は

自分が視覚障害者であることを理解していただかないと何も始まらない

関係は作れない

それが私

と思っているので、

白杖を持っていることで誰かに何か思われたとしたら

それはもしかしたらチャンスで

子どものお友達から

「その棒なぁに?どうして白い棒を持ってるの?」

と言われて

「お目目が見えないから、これで段差とか危ないものがないか確認しながら歩くんだよ」

と話をしたり

「目がご不自由なんですか…?」と言われて

「そうなんです、全く見えないんですよ~」

と元気に答えたりなど

そういうことが私のお役目なのかなーと勝手に思ったりしています。

そのように開き直っているのが逆にいいのか、

外でイヤと感じる思いをしたことはあまりありません。

夫と二人で歩いていても道では親切にしていただくことが多く、

子どもの習い事や学校行事などに参加しても

声をかけてくださった保護者の方と親しくなれたりしてきました。

目が見えなくて生きるというのは

やはりいろいろとあると思います。

たくさんのひとが当たり前にできることが

全然普通にできない。

でも、

私のように

視覚に障害があっても

目が見えなくても

受け入れて

受け止めて

ネタにして

楽しんでいる

そんな全盲がいてもいいんじゃないかと思います。

そんな風に、

少しでも気持ちが軽くなって生きていける人が増えたらいいなと願っています。

今回の内容は、不快に思う方もおられるかもしれません。

視覚障害がある方を、イヤな気持ちにさせていたらごめんなさい。

目が見えないだけで、

見えないけど、見えないからこそ、毎日楽しく暮らしている

白杖での一人歩行ができない私の話でした。

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