目が見えなくなってからの爪切り

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全盲の娘さんがいらっしゃるお母さんと仲良くなって、時々お話をしています。

先日は、夏休み中の中学生の羽ちゃん(仮名)も遊びに来てくれました。

お昼ご飯にほっともっとのお弁当を買って来てもらいました。

我が家は親子三人のり弁を注文。

ほっともっとは近所にないのでかなり久しぶり。のり弁とか、テンション上がります。

全盲の夫と、全盲の私。

実は食べ方が、かなり違います。

全盲の娘さんがいらっしゃるお母さんは、

いつも私たち夫婦の動きを興味深く見られ、気づいたことを言ってくださったり質問してくださったりします。

みなさんは目隠しをして食事をしてみられたことはあるでしょうか?

なかなかそのような経験はないですよね。

ぜひやっていただきたいものです。

夫の場合、

ごはんの上(の上ののりの上)にある白身魚のフライにソースをかけ

お弁当のパックを持ちあげて

わしわしと食べます。ワイルドだぜ。

私の場合、

開けた蓋をお皿にしてフライやちくわをそちらに移動させ、

その際食べられないバランなども撤去。

そしてのりのごはんとおかずを、ちまちまと交互にいただきます。

全然違うので、笑っておられました。

付属の子袋のソースなどを、

どうやったらこぼさずに開けてかけられるか聞かれました。

改めて、意識してやってみて

ピッと切っても中身が出ないように、

持っている方の指先で液体を閉じ込めて抑えていました。

夫も全く同じやり方とのこと。

そういえば、

先日、

目が見えなくても当たり前のようにやっていることの一つ、爪切りについて

夫婦で言語化してみた日がありました。

お互いの爪を切る姿は見たことはないのに、

盲学校で誰かに習ったわけでもないのに、

確認してみると、

全く同じ動きだということがわかりました。

結婚して23年、

お互いのあらゆる動作を知らないまま生活しているのだと認識しました。

おそらく、目が見えているみなさんとは違う切り方だと思います。

みなさんは、爪と爪切りが自分向きで見えるように切りますよね。

私たちは

その現場、切る瞬間を見る必要がないと言いますか、

見る以外の方法で切る爪の部分、切るための爪きりの当て方、向きなどを確認しています。

おそらく親指だけはみなさんと似たような切り方です。

あとの4本は手のひらを自分の方に向けて切ります。みなさんと反対の向きになるのではないでしょうか。

爪の内側から爪と指先の皮膚に爪切りをあてて

向きや距離を確認。

その時、爪切りが安定するよう親指を爪切りに当てていました。

視覚障害者の私たちは常に触ってものを確かめます。

人さし指から小指の爪を切る時は

あいている親指を沿えることで爪切りの位置を調整しているようです。

目が見えなくなってから、爪切りの方法が独特になったという自覚はありましたが、

親指を添えて安定させていることは意識していませんでした。

じゃあ親指を切る時は?…と夫婦でやってみると

これまた同じ、

爪切りが安定するように

今度は中指を添えていました。

格好としては

切る爪先、爪切り、添えるための指先の三つが

ピタッと密集している状態。

・・・全盲の爪の切り方、

伝わっているか自信がないのですが

もう少し書きますと

大きくパチンと切るのではなく、

小刻みに角度を変えながらチョッチョッチョッと切っています。

左端から頂点(真ん中)まで約5回、

そのまま右端まで進むのではなく

今度は右端から真ん中まで約5回。

私はこの切り方で

角のないなめらかな爪にできています。

目が見えなくても当たり前にやっていた爪切り。

文字起こししてみました。

羽ちゃんの家に遊びに行った日の記事

阿多らしいお友達

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