視覚障害者で、光も感じない全盲の私が、
目が見えなくて、何ができて何ができないか
昨日の暮らし編の続きで、今日はメイクや子育てについて書いてみます。
~メイク~
周りが本格的にメイクをし始めた二十歳くらいの頃は、
「全盲の私には一生メイクはできないだろうから素肌を大切にしなくちゃ」
と本気で思っていました。あきらめていました。
が、やっぱりやってみたくなって。あきらめたくなくて。がんばればできるんじゃないかと思えて。
失敗のリスクが少ないアイテム
例えば
ファンデーションはムラになったらいけないので
少しだけ肌色がつく乳液のような下地だけから始めて、
ムラなく塗る感覚がつかめたらファンデーションもコンシーラーもパウダーもできるようになりました。
マスカラは皮膚に着いたらいけないので
透明のマスカラで練習して、
皮膚に着けずに塗れるようになったら同じメーカーの黒いマスカラにチャレンジして、
そのうちにどんなマスカラでも自由に塗れるようになりました。
慣れたら自信がついて次のステップへ…と、一人でもできるアイテムが増えていった感じです。
その他顔剃り、眉カットなども一応できます。
皮膚科の先生から、「お顔剃りまで自分でやるなんて、あなたって天才ね」と驚かれたことがあります♪
鏡で自分の顔や姿を見ることができない視覚障害者の私たちにとって、
『きれい』や『おしゃれ』はなかなか難しいことの一つです。
かなりの根気と、アドバイスや協力をしてくれる誰かの力が必要です。
子育てでは…
~おむつ交換(うんち)~
お尻のどこが汚れているかは見えないので『汚れている部分を拭く』のではなく、
お尻全体を自分なりの決まった順番で拭いていました。おしりふきが必ず5~6枚必要でした。
~歯磨き~
時々歯茎に当たって申し訳ない時がありますが、できます。
10歳になるまで仕上げ磨きは必要と聞いたことがあり、
長女には9歳頃までしていました。
現在8歳の次女にも毎日やっています。
3か月毎に定期健診に通い続けていることもあり、娘たちの歯は割といい状態です。
~爪切り~
赤ちゃんの柔らかい爪の時はかなり難しく、がんばってもみましたが、
週に一度程度のことだったので母が来た日にお願いすることが多かったかなと思います。
次女の爪は、当時小学生の長女も切ってくれていました。
普通の爪切りで切れる爪の硬さになってからは慣れたらできます。眠っている間にこっそり切っていました。
次女も小学生になり、最近は自分で切れるようになって楽になりました。
~耳かき~
私自身がかなりの耳かき好きなので、その感覚でできます。
子供にだけでなく、夫にもいつもやっています。
『これぐらい』という安全と思われる適度な長さで耳かきを握り、それ以上は入れないでそぉっと掃除します。
~髪の毛のセット~
まだ目が見えていた中学生の頃、「明日はどんな髪型で行こうかなぁ」と卓上の鏡でずーっと自分の髪の毛を触っていたからか、結構いろんな結び方をしてあげられます。
いろいろと書きましたが、
ほかに、
視覚障害・全盲の女性、主婦、母親の私が
目が見えなくてどうやっているんだろうと知りたいことがありましたら、ぜひ聞いてくださいね。
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