視覚障害者が生活する上で
見えない表示画面を音声で読み上げてくれる機器がいくつも開発されています。
特別な製品になるため、
一般に販売されているものよりもそれぞれ結構高額になります。
そして、基本的に選択肢はなく一種類のみです。
現在はパソコンやスマホを使うことで便利になっていますが、
やはり専用の、音声機能が付いた製品は助かります。
いくつか紹介しますね。
視覚障害者向けの製品が
みなさんのお宅のものとどれくらい価格が違うかも比べてみてください♪
~音声体温計 9000円~
今は出番はあまりありませんが、一応常備しています。
大きくて重くて、今時まさかの10分計!
現在は
熱を測る時はみなさんと同じような20秒計や30秒計で計り、
娘たちが家にいれば表示を見てもらいます。
いなければデジタルの表示部分をスマホの読み上げアプリで撮影して体温を知ります。
今のようにスマホのアプリがなかった数年前、
娘たちが数字を読めない乳幼児の頃、
読めるようになっても高熱を出している時や夜中に計りたい時などは
やはり音声体温計が活躍してくれました。
~音声血圧計 9700円~
20年前、鍼灸マッサージの治療院を開業する際
患者さんに使用することもあるかなと準備した音声血圧計。
20年近く薬箱の奥で眠っていましたが、
この度、夫婦で毎日血圧を測ることになり、出してみたら…
さすがに故障していました~。
必要なので再度購入。
新しいものは、進化していて上腕にとても巻きやすくなっていました。
夫婦で毎日計測して記録をつけています。
~音声体重計 15300円~
体重計も2代目です。
初代のものは体重のみの計測でしたが、
現在のものは体組成計の機能がありうれしいです。
実は随分前からボリュームスイッチが壊れてしまっていて、
音量大で体重を読み上げられるのはちょっとイヤなのですが…
体脂肪や筋肉量まで音声で自分で確認や管理ができるのはやはり便利と感じます。
~音声キッチンスケール 28000円~
結婚当初は
デジタルではない昔ながらの針の秤を持っていました。
針の向きを指で触ってメモリを読む、視覚障害者用の触鍼計りでした。
確か4000円弱だったかと思います。
でも、針がきれいに0グラムに戻らなくなり、
ほとんど使用もしていなかったため処分しました。
この、デジタルのキッチンスケールは、
あったら便利だろうなぁとずーっと思いながら
3万円近くととにかくお高いので購入には至っていませんでした。
8年前、次女の離乳食の頃に
キッチンスケールがあったらいいんだろうなぁ、いろいろできるようになるんだろうなと
ぐずぐずぐずぐず迷っている私の背中を夫が押してくれて思い切って購入。
買ってもらってよかったぁぁぁ!と思っています。
お肉やお好み焼きの粉などを計るのに、毎日のように大活躍しています。
『あったら便利だろうけどなくても別に困らずに生きていける』という商品は
私は悩んで迷っていつまでも買う勇気が出ない傾向にあり、
夫はとにかく購入して試してみる傾向にあります。
~点字ディスプレイ (ブレイルメモ)~
点字が浮き出る表示のシステム手帳のようなものです。
ハイクラスのものは中身がパソコンのような性能があります。
10年前から、今も大事に使っている私のブレイルメモは
25万円程しました。これでも価格は低い方です。
もちろん私は購入に意欲的ではなく、
「へぇ、小さいタイプが出たんだぁ、あったら便利だろうねぇ。でも高いよねぇ…」
と考えるばかりの私に代わって
夫がやや強引に購入を決断。
そして、
この十年、このブレイルメモがあるおかげで
私はスケジュール管理ができ、
自分の思いや考えを整理することができ、
これにメモすることで頭の中に記憶する必要がなく、
身軽に、快適に生きています。
更に、
このような特殊な製品は
とても便利だけれど高額なため購入者が少なく
開発元が早々と販売を終えてしまう傾向にあります。
私(正確には夫)は発売からすぐに購入したため、
周りに持っている視覚障害者はほとんどいなかったようで、
どのような大きさでどんな触り心地か
いろんな人に見せました。
目が見えない私たち視覚障害者は
現物を見たり触ったりできないまま
カタログの写真も見えないまま
これら、なかなか高額な製品を購入に踏み切らないといけないのです。
買う前に、触れてみたいですよね。
話が反れましたが、
私より後にこのブレイルメモを欲しいとなった人たちで
購入したいと思った時には販売が終了していて手に入らなかったという話を何人か聞きました。
夫はそういうことがわかっているのか
「こういうのはタイミングがあるから、欲しいと思った時に思い切って買った方がいい」
という考えです。
その後ブレイルは市から補助を受けられる制度ができて、
夫が購入したブレイルセンスは約60万円。
それを一部負担の20数万円で購入しました。
現在我が家には
異なるシリーズのブレイルが4台あります。
~タイプライター 74000円~
こちらも補助を受けて先日購入したものです。
自己負担は15000円程でした。
タイプライターが届いた日のブログ
~プレクストーク(視覚障害者用ポータブルレコーダ) 85000円~
音訳ボランティアさんが朗読してくださった録音図書を再生する、
視覚障害者が読書をするのに欠かせない機器です。
視覚障害者には『本屋さんで読みたい本を買って読む』ということはできません。
大多数の人が使用しているものです。
県からの便りや市政だより、選挙公報など、
現在では視覚障害者の情報保証に大切なものの一つになっています。
その他
我が家にはありませんが
お札(千円、5千円、1万円)を判別する機械や
色を教えてくれる機械などもあったようです。
今は専用の機械がなくても、iPhoneのアプリでお札や色は読み取ることができます。
ほかにも
最近は視覚障害者専用ではなく
一般の商品にアクセシビリティ(障害者向け)機能がついた商品が販売されてきています。
iPhoneが有名ですが、
10年前から我が家で使っているPanasonicのブルーレイや
昨年購入したSonyのテレビなどもそうです。
これまでは、視覚障害者は視覚障害者専用のものでないと使えなかったので、
みんな同じような音声腕時計をしていたり、同じような商品を使っていました。
障害者専用の機器が便利ではあるけれど、
選ぶ種類があまりない。おしゃれもできない。
それが最近は
例えばApple製品。
iPhoneやAppleWATCHなど、一般の人が使っているものと同じものを視覚障害者も使えるようになっています。うれしいことです。
夫婦で目が見えない我が家の暮らしをイメージしていただけたらと思い、
今回は身の回りの便利なものを紹介しました。
私たち視覚障害者が自立して暮らせるように
たくさんの商品が開発されていることに感謝しています。
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