夫との記念日

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今日は夫とお付き合いを始めた記念日です。
高校1年生だった私が、高校2年生の先輩の夫に告白をして、返事をもらった日です。

・・・誰が興味あんねん
ですが、
まあ記録として、
将来娘たちが読んだらおもしろいかなということで書きたいと思います。
備忘録というらしい。

3度の手術後、視力が落ちて中学3年生の2学期から盲学校に転校した私は
約半年後、隣の棟の高等部に進学しすぐに全盲になりました。

私のクラスは中学部からそのままのメンバーで、男子3人に私の4人クラス。
一つ上の学年は男子5人に女子3人の、当時の盲学校にしては大人数のクラス。
もう一つ上の3年生は男女一人ずつのクラスでした。

全盲で新入生の私は、自分から先輩方の教室に遊びに行くなんてことはできませんので
休み時間はいつも自分の教室にいました。

男子に比べ女子の人数が少ない盲学校で
半年前に入ってきた新しい女子ということで
男性の先輩方がよくうちのクラスに遊びに来られました。

そんな、少々ちやほやされる中、
隣(一つ上)のクラスのあまり来てくれない先輩が一人。
それが夫なのですが…

なんとなく気になり始め
夫と同じ寄宿舎に入っていたクラスメイトの男子から
夫がどんな人か聞いたりして

入学後、4月の終わりには既に好きになっていたかと思います。

片想いスタート。青春だぜ。

少しでも接点を作るために
夫が所属していたバンドにキーボードで参加したり、
先輩からカラオケに誘われると夫も来ているかなと期待して参加したり、
恋する全盲女子、がんばりました。

しかーし夫は
違う人とお付き合いを始めてしまったり
夫と仲が良かった先輩が私に想いを寄せてくれたり

高校生らしいなんだかんだがありつつ
11カ月後、私にもチャンスがきました。

夫と彼女はうまくいかなかったようで、割とすぐにお別れすることになったとか…
そんな頃にバンドの練習や修学旅行の資料作りなどで夫と話せるタイミングが増え

27年前の今日、私はめでたく彼女になったのです。ピース

昨日のことのようにシチュエーションもセリフも思い出して語ることができますが、
もう27年も前のこと。

いや~27年って本当にすごい年月だなと思います。
でも、やっぱりあっという間でした。

お付き合いが始まってからも、私たちもプチお別れの時期があったりもしました。

先日母から
「あんたたちみたいに、ずっと一緒にいるのに仲良しラブラブみたいな方が不自然」
と何か意地悪な言い方をされましたが、

一度もケンカしたことなく仲良しです~
なんて言ったことはありません。

夫と私は
高校生の頃からたくさん話をしてきました。

もちろん納得できないこともあり
泣いたり怒ったり
結婚前も結婚してからも
ぶつかって話をしてきました。
きつくても向き合ってきました。

当たり前ですが、価値観って違いますよね。

最近こそなくなりましたが、
以前は数日ほとんど言葉を交わさないということもありました。

私の統計では、三日経つ頃にばからしくなるのかさびしくなるのか仲直りすることが多いような気がします。

ただ、文句を言ったりお互いを責め合ったりするようなことはしてこなかったと思います。

また、子供には仲が良い両親を見せていたかったこともあり、
娘たちは私たちがケンカしているところを見たことがないと言います。
正確には、
長女は一度だけ不穏な空気を感じたことがあるそうです。

一緒に過ごすようになり27年が経ち、
少しずつお互いのことを理解できてきたのかなという感じです。
仲良くあるために、努力をしてきたと思います。

私としては
価値観は違ってて当たり前、違ったままでもいいんだと思えるようになりました。

最近は
自分の気持ちを伝える
してほしいことは伝える
ありがとうを言う
夫の気持ちや考えを聞く
子どもたちについての情報を共有する
二人の時間を作る

大切にしているのは、こんなことでしょうか。

みなさんのように
車で出かけることも
二人で旅行することも
家族で旅行することも
お酒を飲みに行くこともない私たち夫婦ですが

家でたくさん話をして、
歩いて近所のお店に出かけたりという
狭い行動範囲の中で幸せに暮らしています。

こんな穏やかな時間が
長く続いたらいいなと思います。

10年後も20年後も
夫とこのリビングで
小沢健二を聴いたりして
音声ガイド付きの映画を観たりして。

1995年3月13日、
制服で公園とモスバーガーに行った日。

目が見えない私と夫の
始まりの日です。

せめて娘二人が、にやけて読んでくれたらいいなと願います。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

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