社会人2年目の我が家の長女は、今年新成人となります。
しかし、着物を着ることに一切興味がない様子。
別に着物なんか着なくていい
面倒くさっ
成人式って行かないといけないの?
普段着でいいじゃん
お友達の中には、一年以上前から着物を選びに行ったりオーダーしたり、
早々と前撮りを済ませたり
自分でお金を出してでも…と気合充分の子もいます。
思えば2年前、
娘の年齢を間違えていませんか?という高校生頃から営業の電話ががんがんかかってきていたなぁ。
七五三や成人式…
このような、衣装選びや両家が関わるイベントなどは視覚障碍者の私たちには計画が難しいです。
全盲母の私はどうしていいかわからないのですが、
私自身が二十歳の成人式の時親戚みんなに喜んでもらったりほめられたり
これが成人式なんだなという経験をしました。
当時既に全盲で盲学校生だったので
一般の成人式の式典ではなく障碍者対象の式典に出席。
現在はどうなっているか知りませんが
当時障碍者施設での式典では盲学校の女子生徒が代表であいさつをすることが多く
私も成人代表の挨拶をしました。
おかげでその日のローカルニュースにいくつも映りました。えへっ。
長女にはずーっと前から
振袖を着て記念の写真は撮ってほしいよと伝えていました。
私の母は
母の親友の娘さんの振袖が長女の好みに合うこと、
身長も同じことなどから
何年も前から着させてもらうよう頼んでありました。
お友達が続々前撮りをする中、
長女は興味なし。
来年二十歳の後輩を、車で着物選びに連れて行ってあげていたのには
「自分の成人式を考えなさい!」と言いたかったです。
私は「写真は残してほしいから着物は着てね」とそれとなく伝え続け、
私の母は着物を借りるよう頼んであることもあり、スケジュールが決まらないことにイライラ。
成人の日が近づくにつれ
写真のために振袖を着るんだからせっかくなら当日お友達と晴れ着で街に出かけたら?きっと楽しいよと私が言うようになり、
長女は、小学校からの仲良しのメイちゃんにしぶしぶ予定を確認。
メイちゃんから断られるのを期待して聞いて
「一緒に行こう」と言われてテンション駄々下がり。
私は、よっしゃぁぁぁでした。
そう決まったのが12月中旬だったでしょうか。
「もう着物は着ないんでしょう?キャンセルするわよ」とマジ切れ寸前の私の母から連絡があり、
「いや、メイちゃんと行けることになったって!お願いしまーす」と伝えました。
取り合えず当日に着物を着ることは決まりました。
次は写真をどうするか。
多くのお友達は余裕を持って前撮りをしています。
がんがんかかってきていた写真館の営業の電話も全てお断りしているので
うちはバタバタの当日一発勝負を狙います。
着付けをしてもらうのは母の親友。
その美容室の場所と式典会場と
一緒に行くメイちゃんの着付けが終わる時間と場所・・・
一人で着物でバスに乗るなんて恥ずかしくてイヤだからそんなことになるなら行かねぇという長女。
でも観念したのか
「R(長女)はどうでもいいからお母さんとキャサリン(私の母)が全部決めて。どこでも連れられるままに行くからさ」
と、抵抗はなくなりました。
全盲母の私は何をどのように調整して
どこから連絡すればいいのやら。
年末に職場の同じ年の人と話したという長女。
その子も準備が遅く、写真は当日はどこも空いていなかったらしく後撮りすることになったのだそう。
『後撮り』という言葉を、初めて聞きました。
なるほど。前撮りをしていなくて、当日撮影ができなければ後撮りということになるのか。
そうなれば着付けも2回。やはり一日で済ませられるのがベストです。
気づけば私、「この近くに写真館はある?」とiPhoneのSiriに聞いていました。藁をも掴む想いだったのでしょう。
するとすぐ近く、1キロくらいの場所に写真館があり、しかも口コミも悪くない。
まずは一軒目。
これから何軒電話で問い合わせることになるだろうかと覚悟しながら
絶対無理だろう、ダメで元々と想いながら電話をかけました。
成人式当日、なんと空いていました〜。
しかも希望通りの朝の時間に。
即予約。これが年末のことです。
撮影の後、メイちゃんとどこでどうやって会うかは今は考えないでおこう。
きっと、どうにかなる。
長女の晴れの日の大イベントを全力で応援してくれる私の母と、
成人式にも着物にも感心を示さない長女との間で、
全盲なりに娘の成人式を祝い、思い出に残るものにしてあげたいと動いた準備期間の母の話でした。
9日の成人の日、長女は
振袖を着て成人式に出席します。
ふぅ。
コメント