コンタクトが破れて

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2月28日、

長女の高校の卒業式の前日の夜、

全盲ですが外出時に装着しているコンタクトを外し、

いつも通りお手入れをしていると、

なんだか感触がおかしい。

長女に

「ねぇ、コンタクト、どうかなってる?

もしかして、破けてる?

「おー!破けてるぅ!」

ぎゃー

いやいやいや、明日、卒業式だよ

保護者代表で担任の先生に花束贈呈だよ

コンタクトなしの白くなった眼球で?

慌てふためき騒ぐ私。

どうしよう、どうしよう

そもそも私がクラスメイトの前で担任の先生に花束を渡す係になったことを

恥ずかしがってイヤがっていたのに、

コンタクトなしの白く濁った眼球では

さらに長女はイヤだろうと思っていたのですが、

「別に、コンタクトなしの目でいいよ」

と言います。

…え?いいの?

「その代わり、視覚障害者ってわかるように白杖はちゃんと持っててね」

とあっさり。

小中学校と違い、

高校は保護者が学校に行く行事がただでさえ少ないところ、

コロナウイルスの影響で本当に行く機会がありませんでした。

仲良しのお友達には両親が視覚障害者だと話しているでしょうが、

わざわざ言うことでもないので、大半のクラスメイトは知らない状態です。

卒業式当日、

破けているコンタクトをそおっと装着してみましたが、

当たり前ですが激痛でした。

覚悟を決めて、コンタクトなしのそのままの目で出席。

体育館での卒業式後、教室に移動して、もう一人の役員さんと

担任の先生に一言お礼を告げて花束を渡しました。

帰宅後聞きましたが、

私がご挨拶をして花束を渡す時、

長女はちらちらと周りの様子を見たそうですが、

特に反応なしで。

終了後も

特段誰も「さっきの誰の親?」

みたいな様子はなく、何事もなく過ぎたとのことでした。

後日診察を受けて処方していただき、

3週間程で新しいコンタクトが届きました。

思えば購入する時、

コンタクトは2年ぐらいで買い替えるように言われていました。

2年が経つ頃、

担当医に診ていただいたのですが、

古くなった感じもないし、まだまだこのまま使い続けていいと思いますよ」と言われ、

その後はすっかり忘れていました。

劣化して、擦り減って、薄くなっていたのだと思います。

新しく届いた新品のコンタクトは、

触った感じの厚みやシャキット感がまるで違いました。

せめてあと一日破けるのが遅ければ…!と思いましたが、

当の私よりもたいして気にしていない長女の気持ちを知ることができました。

考えてみると、

私が『目が見えない』ことを受け入れてくれているのですから、

『その目の色に違和感がある』ということは

それほど問題ではないのかもしれませんね。

少し肩の力が抜けた感じです。

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